日本初開催、「第8回アジア栄養士会議」開催レポート

「第8回アジア栄養士会議」(以下ACD2022)が、2022年8月19日(金)から21日(日)の3日間にわたってパシフィコ横浜ノース、アネックスホール、展示ホールDにて開催されました。

現地参加者は1,137人(海外からの参加者(16カ国 135人)を含む)となり、盛況のうちに終了しました。

アジア栄養士連盟所属地域の栄養士らが集う4年に1度の国際会議

「アジア栄養士会議」は、4年に1度開催されるアジア地域の管理栄養士・栄養士らを対象とした学術会議で、アジアの人々の食事に立脚したアジア人のための栄養のあり方と実践活動の検討を目的としています。 アジア栄養士連盟加盟国(台湾、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、 フィリピン、パキスタン、シンガポール、タイ、オーストラリア)で開催されてきたアジア栄養士会議が、日本で開催されるのは今回が初めてとなりました。 開催地に横浜が選定された理由は、各国からのアクセスなどの利便性と、開港当時、外国文化と同時に食文化も横浜から日本へ到来したきっかけの場所であるという歴史的な背景が決め手となりました。 また日本が戦後の貧困飢餓の時代から高度経済成長を果たした背景として学校給食、社員食堂、など食文化と衛生環境の向上があり、長寿やウェルネスの視点でも日本は「栄養」の分野では他国から常に注目をされてきており、今回の日本開催は様々な背景を元に多くの期待と共に開催に至りました。

展示ホールでは企業展示とポスター展示に加えて体験型のイベントが企画され賑わいをみせた

展示ホールDでは、企業展示ブースや関連団体のブースと休憩スペースやフォトスポットなどが設けられ、参加者の交流の場として賑わいました。 特に今回は、会議の合間に参加できる体験プログラムとして、「横浜モバイルヨガ」と「モバイル茶室のお点前体験」 が企画されました。ヨガ体験は椅子に座ったまま、特別な服装などの準備なく参加できることもあり多くの参加者が体験しました。移動式茶室で実施された「モバイル茶室のお点前体験」では抹茶のお点前を目の前で見たり、作法の手解きをもらいながら茶道を体験するイベントも企画されました。海外からの参加者はもちろんのこと、日本人の参加者も日常的に体験できない茶道を通じて、会期中の忙しい時間の合間に、ほっと一息つけるような時間を提供しました。

誘致から開催まで、様々な道のりを経て当日へ<大会組織委員長インタビュー>

2008年にパシフィコ横浜で開催された「第15回国際栄養士会議」(ICD2008)が盛況ののちに終了した経験もあり、”今回のACD2022の開催地も横浜で”という想いが強かった、と語るACD2022組織委員長 中村丁次氏。 開催決定時は想定もしなかった、コロナのパンデミックによる国際会議のオンライン・ハイブリッド化の中で、今回のACD2022を現地開催のみと決断するにも大きな苦悩がありました。大会組織委員で議論を重ね、妥協点を探りつつ、最善の策を見出しながら今回の開催に至ったとお話されました。 学会においてはFace to Faceでの議論、激論が必要であり、オンラインでは未消化のまま終わってしまうが、学術において解決しなければならない研究議題は時代と共に次から次へ山積し続けていくもの。 withコロナでのMICE開催であっても、同じ意志をもった参加者の対面での情報交換や交流を活発におこない栄養分野の発展を止めないことが、コロナの終息や世界の栄養問題の解決に繋がっていくと感じられたACD2022の開催でした。

[後記]

「第8回アジア栄養士会議」は、横浜観光コンベンション・ビューローが「安全・安心な横浜MICE開催支援助成金」制度を活用し、開催支援を行いました。横浜で安全・安心にMICE開催を行っていただけるよう、当財団では様々な支援を行っています。 詳しくは こちら

  • 催事名称 第8回アジア栄養士会議(The 8th Asian Congress of Dietetics)
  • 会期 2022年8月19日(金)〜21日 (日)
  • 場所 パシフィコ横浜ノース、アネックスホール、展示ホールD
  • 主催者名 第 8 回アジア栄養士会議組織委員会、公益社団法人日本栄養士会