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健康的な社会へのレシピ:第8回アジア栄養士会議(ACD2022)
中村 丁次 様
「第8回アジア栄養士会議」組織委員会委員長
「第8回アジア栄養士会議」が2022年8月19日(金)から21日(日)の3日間、パシフィコ横浜で開催されました。第8回アジア栄養士会議組織委員会と公益社団法人 日本栄養士会の主催によるもので、アジア17ヵ国から1,137名が参加。アジアをはじめ世界各地でのより健康的で持続可能な社会のヴィジョンが明示されました。
3日間の開催期間中、私たちが共有する未来を定義するシンポジウム、ワークショップなど、多様なプログラムを展開。糖尿病や肥満の増加といった喫緊の課題から、学校給食における栄養政策といった構造上の問題まで、多岐にわたる内容が議論されました。また、会議のテーマを補足する催しとして、横浜市観光協会(YCVB)によるヨガのワークショップや、移動式の茶室での茶道体験など、ウェルネスと文化に関するアクティビティが開催されました。
栄養学をリードする日本
日本には必然的に育まれた栄養研究と栄養教育の長い歴史があると中村委員長は言います。「国内の資源が非常に限られていた戦後の日本で、栄養状態を改善するしくみがつくられました。その栄養教育の成果が今日の学校給食です。日本の各公立学校の給食は考え抜かれており、栄養バランスが整っています」。日本が栄養学においてリードしている理由の一つは、この栄養教育にあると中村委員長は指摘します。
また、栄養研究や栄養教育の恩恵のほかに、日本特有の自然環境も健康的な食生活への恵みとなっていることも中村委員長は指摘。「他のアジア諸国と比較すると、日本には清流などの清らかな飲み水が豊富にあります。また、四季がはっきりしており、季節ごとの旬の食べ物や料理を楽しむ文化があります」。
横浜は日本の栄養学において重要な役割を担っている場所であり、「国際貿易港として日本で最初に港が開かれた横浜は、昔から国際都市とみなされてきました。横浜は、現代の日本の食生活のトレンドに影響を与えてきたアジア各国や西洋諸国からの味覚が集まる場所なのです。そのようなことから、この国際会議の開催地として最適な場所でした」と、横浜が開催地に選ばれた理由について話しました。
国際交流を促進する
横浜は、日本と世界が繋がる国際的な玄関口として古くから認識されています。最初は近未来的な建物が立ち並ぶ風景に目を奪われますが、中華街としては世界最大級の「横浜中華街」をはじめ、様々な多国籍料理からも国際都市であることがわかるはずです。
横浜が、国際会議の開催地として多くの主催者に選ばれる主な理由は、その立地にあります。横浜は、羽田空港や新幹線も近く、海を臨む開放的な雰囲気でありながら国際会議に適した環境がコンパクトに集まっています。「このような環境は東京ではなかなか見つけられません」と、中村委員長は話します。さらに、横浜の緑の多さや文化の豊かさ、そして2008年に同様の会議を主催した経験が「第8回アジア栄養士会議」の主催地に選ばれた“決定打”となったそうです。
中村委員長は、ここ数年間、対面での会議を開催できなかったことに理解を示しつつも、オンライン会議よりも対面会議の方が有益だと確信しています。「実際に顔を合わせることで参加者同士が情報を共有したり討論したり、また、激論を展開したりする機会が生まれます。そして、そのあとのバンケットや食事の席では、親交を深めるチャンスがあり、これはオンライン会議ではできないことです。また、横浜には会議の他にも、くつろげる場所や楽しめる環境がたくさんあります。この点も開催都市としての付加価値を高めていると思います」と中村委員長は言います。
横浜の未来
横浜には音楽用のコンサートホールや数々の博物館があるほか、多種多様なショップや飲食店などが集まっています。「団体、個人に関わらず、横浜は多くの日本人が訪れる街です。横浜に対するこの印象は、海外からのお客様にも共有いただけると思います。国際会議の開催都市として、またMICE(企業会議、インセンティブ、国際会議、イベント/展示会)のロケーションとして、横浜は便利でコンパクト。そして世界中から訪れる人々を温かく迎え入れる、ユニークで国際的な文化を持っています」と中村委員長。「横浜でイベントや国際会議を開催することで、たくさんのアクティビティや文化体験ができます。例えば、2008年に開催された前回の会議では、コンサートホールを貸し切ってクラシック音楽イベントを開催しました。各国からの参加者は多国籍料理を楽しんだり、歴史的建造物が並ぶ海沿いを歩いたりして街の雰囲気を楽しんでいました」。
SDGsパートナーとしての横浜
刺激的な環境下で人と直接対面することは、会議の範囲を超えた有益な意見の交換が可能となります。「この会議のテーマは栄養学だけにとどまらず、文化や経済、暮らし方に至るまで、栄養学を軸に周辺の知識を提供することです。持続可能性と栄養学との関連を理解するためには、このオープンな考え方が重要です。このような考え方でアジアにおける“持続可能な開発目標”を共に達成していきます。先見性のある国際会議の開催地として、横浜はとてもふさわしい場所だと思います」と中村委員長は締めくくりました。
参加者の感想
ワークショップの参加者は「久しぶりの対面での国際会議はすばらしかったです。参加者同士がビジネスだけでなく、個人的にも繋がりやすく、強いパートナーシップを育むことができました」と、話します。他にも「横浜は美しく、すばらしい街です。特に印象的だったのは、パシフィコ横浜のあるモダンな「みなとみらいエリア」です。私たちが自国で取り組んでいる未来都市を体現しているように感じました」とのコメントがありました。
About ACD2022:
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会議名 第8回アジア栄養士会議(ACD 2022)
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主催者 第8回アジア栄養士会議組織委員会と公益社団法人 日本栄養士会
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会期 2022年8月19日(金)~21日(日)
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開催地 パシフィコ横浜
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ウェブサイト https://www.acd2022.org/index.html