3年ぶりに現地開催となったABTEC2022。特別講演には宇宙飛行士の油井亀美也氏が登壇。

「2022年度砥粒加工学会学術集会ABTEC2022(Abrasive Technology Conference 2022)」(以下 ABTEC2022) が、2022年8月29日(月)から31日(水)の3日間、神奈川大学みなとみらいキャンパス(横浜市西区)で開催されました。3年ぶりに現地開催とライブ配信を併用したハイブリッド形式で開催されたABTEC2022には、392人が参加し(オンライン参加者95人を含む)、盛況のうちに終了しました。

2021年に開設した神奈川大学みなとみらいキャンパスで開催

ダイヤモンドなどに代表される砥粒と呼ばれる硬物質の粒子を使用して加工し、様々なものづくりの現場に活用する技術の研究発表や研究者の情報交換を目的としたABTECは毎年国内各地で開催されており、今回は2021年にみなとみらいに新設された神奈川大学みなとみらいキャンパスが会場になりました。3日間の会期中、5つの講演会場では140の学術講演セッションが行われました。 セッション以外にも、普段は学生が使用する各階のラウンジスペースなどを活用し、大学の研究室や研究団体の研究公開パネル、協賛企業のパネルが展示され、講演会場外も連日賑わいをみせました。

JAXAの油井亀美也氏が登壇「ものづくり」「宇宙開発」から「平和」まで深く講演

今回のABTEC2022では、特別講演として国立研究開発法人宇宙開発機構の宇宙飛行士の油井亀美也氏による講演が行われました。「宇宙と地球を繋ぐ機械技術 〜ものづくりが変える宇宙〜」と題して行われた講演は、実行委員長の由井明紀氏(神奈川大学 工学部 機械工学科教授、工学博士)が、他分野で活躍している方からの講演で砥粒加工分野に新たな気づきを提供したいという思いで招聘に尽力し実現に至りました。 2日目のオープニングを飾った特別講演では、宇宙飛行士になるまでの経緯や国際宇宙ステーションでの滞在のエピソードをはじめとした「宇宙開発」の話題から、宇宙開発には多くの企業が関わっており、あらゆるものづくり分野が密接な関係にあると講じました。 スライドでは宇宙から見た地球の画像も用いられ、宇宙から見たSDGsの考えや平和についてなど充実した講演で、サテライト会場となったキャンパス内の米田吉盛記念ホールはもちろんのことオンラインでの参加も多数あり、注目を集めました。

コロナ禍での現地開催。大学構内での会場設営や懇親会では安全・安心な運営を最優先

会場となったキャンパスは夏期休校期間ではありましたが、自習や研究などでキャンパスを利用する在校生も行き来するということもあり、ABTEC参加者の導線が在校生と混同しないように利用可能なエレベーターを制限したり、会場以外のフロアの出入りを制限するなど、学会運営側と大学側との充分な打ち合わせを行いました。 また、例年ABTECでは参加者の懇親会を、会場となる大学構内の学食などを利用し立食形式で開催してきましたが、コロナ禍での開催ということで感染症対策の視点から、安心して任せられるホテルでの開催とし、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルで事前予約制の着席コース形式で実施されました。座席間隔の確保やアクリル板の使用、参加者同士のお酌を自粛してもらうなど、入念に対策を講じました。

[後記]

「2022年度砥粒加工学会学術集会ABTEC2022」は、横浜観光コンベンション・ビューローが「安全・安心な横浜MICE開催支援助成金」制度を活用し、開催支援を行いました。横浜で安全・安心にMICE開催を行っていただけるよう、当財団では様々な支援を行っています。 詳しくは こちら。

  • 催事名称 2022年度砥粒加工学会学術集会ABTEC2022
  • 会期 2022年8月29日(月)〜31日 (水)
  • 場所 神奈川大学 みなとみらいキャンパス
  • 主催者名 公益社団法人 砥粒加工学会