「第62回日本網膜硝子体学会総会」開催レポート

「第62回日本網膜硝子体学術総会」が、2023年11月24日(金)から26日(日)の3日間、パシフィコ横浜ノースにて開催されました。オンラインの配信は行わず現地のみで開催され、1,683名の方が参加し盛会に終了しました。

神経多様性(ニューロダイバーシティ)な横浜を目指して

「第62回日本網膜硝子体学術総会」では、現在まで取り上げられることのなかった女性網膜専門医、眼炎症学と網膜学、そして先人の硝子体手術のイノベーションに焦点をあてたプログラムが組まれました。その背景には、大会長を務められた門之園 一明先生(横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚再生外科学主任教授)が医療界におけるDiversity(多様性)への変革をしていきたいという熱い想いが込められました。日本ではGender Diversity(性の多様性)への取り組みが世界的にみても遅れていることから、今までナーバスで取り上げにくかった”女性の活躍“についてあえて掘り下げ向き合うことで、将来女性の大会長も活躍するような世界でも高く評価される学会にしていきたいと意気込まれておりました。

焦燥感の中生まれる興奮と発見

本会議では学術大会では珍しいディベートを行うプログラムが実施されました。網膜は、いまだ直すことのできない疾患が多く存在する分野です。また、治療法が見つかりにくいという焦燥感を抱えながらも、新しい知見や治療の端緒を見つけるためのプログラムが重要と語られました。斬新な意見交換や新しい発見や発明を発表することで、より活発な会議になり、その積み重ねが素晴らしい発見や興奮につながると語られ、プログラムが実施された会場は終始白熱した様子を見せていました。

心身ともに健康であり続けるための早朝ランニング

医療の提供者である医師、コ・メディカル(医療関係者)、医療関係の企業は、心身ともに健康であることが重要とのことで、早朝ランニングを実施されました。大会長ご自体も横浜マラソンに出場するなど、日頃より海沿いをランニングされており、健康維持を心がけていらっしゃいます。本会議においても、心身ともに爽快な1日を迎えてほしいということと、普段とは異なる交流が生まれることを期待して企画されました。定員50名の枠は募集開始後すぐに埋まるほど大好評でした。

横浜はアクセス抜群!

本会議は初めて横浜で開催され、参加者の方からのはアクセスが抜群にいいとお声をいただきました。大会長からも会議施設としてはもちろんのこと、周辺には観光スポットがあるので、学会を開催する場所としては環境が整っていると高く評価いただきました。また、本会議の抄録集は日本のアニメーターとして有名な深海誠氏のイラストが寄与されました。表紙には美しい横浜の風景と若い先生方の溌剌とした姿が描かれました。まさに、Diversityを絵に描いたような、将来有望な先生方が活躍する様子が描かれているような印象を受けました。細部まで大会長の想いが込められた、注目の会議となりました。

  • 催事名称 第62回日本網膜硝子体学会総会
  • 会期 2023年11月24日(金)〜26日 (日)
  • 場所 パシフィコ横浜ノース
  • 主催者名 横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚再生外科学教室