「学会のあり方の最適化」を追求し、遊び心を取り入れた磁気共鳴医学の学術集会
更新日:2022年3月3日
「第49回日本磁気共鳴医学会大会」と「第3回アジア磁気共鳴医学会大会」の合同大会が2021年9月10日(金)から12日(日)の3日間、パシフィコ横浜ノース(横浜市西区)にて開催されました。
この大会はMRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像化)を臨床・基礎・技術の面から総合的に扱う日本とアジアの学会が共同開催した国際会議で、大会長は東海大学情報理工学部の黒田輝教授、副大会長は同・医学部の丹羽徹教授が務めました。
現地開催、オンライン配信、会期後のオンデマンド配信のハイブリッド形式で開催され、3日間を通して参加者は9カ国から合計1,775人(内、現地参加者は300人)が参加しました。
講演にはAI同時通訳を採用。後日のオンデマンド配信も1ヶ月間設け参加者の学びの環境を整備
会期中は特別講演や教育講演、シンポジウムなど各会場では終日にわたって様々な発表が行われました。 講演中はAI同時通訳が採用され、会場内のスクリーンには日本語や英語での字幕がスムーズに表示されていました。
オンライン上でも同様に配信され、オンライン参加者も同じ環境で聴講しました。 専門用語が多く用いられる医学学会でも、今やAI翻訳の技術はストレスなく利用することができ、参加者も発表者の肉声と字幕で研究発表をよりダイレクトに受け取ることができます。
また、会期後9月21日(火)から10月20日(水)までオンデマンド配信が行われ、会期中に現地で参加できなかったプログラムや、一度視聴したプログラムを1ヶ月の期間内で余裕を持って試聴することができました。 参加者の学びの環境を整えることで大会全体の満足度も上げる配慮をおこないました。
アフターコンベンションがなくても、参加者にワクワク感を提供する遊び心のサプライズ
本来であれば、各地から集まる参加者へ、学会後のアフターコンベンション企画を実施していましたが、今回の大会ではコロナ禍の緊急事態宣言下であったことから取りやめとなりました。
そのかわりに、現地参加者には参加受付時に抽選を行い、約50人にLEGOブロックで作られた手のひらサイズのMR装置が配布されました。 これは、大会長の東海大学 情報理工学部 黒田輝教授のアイデアで、必要なパーツをご自身で手配され、大会WEB上では組み立て方の動画を交えて公開し参加者からは「欲しい!」「抽選で当たったらいいな」という声が上がりました。 実際に当日抽選に当選した参加者がSNS上にその写真を掲載したところ、1.6万件を超える「いいね」がついたそうです。
抽選でのプレゼントだけでなく、登壇者にはパシフィコ横浜ノースに隣接する「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」のお菓子を配布するなど現地参加者へのワクワク感を提供する工夫をしました。
感染症対策は大前提、これからの学会に求められるのは開催方法の最適化
新型コロナウイルス感染症の流行後、医学会では様々な形式での学術集会が試行錯誤の中、開催されてきました。 当初はWEB会議システムを利用したオンライン開催だったところから、感染症対策を万全にしたうえでの小規模な現地開催、そして今では現地開催とライブ配信のハイブリッド開催へ形態が変わってきています。
今回の大会長の黒田教授は、2021年以降は主催者側も学会開催の最適化を行う段階にきたのではないかと仰っていました。 感染症対策は日常生活へ浸透し、MICEの場でも徹底されてきています。感染症対策を万全にして開催することは大前提で、その上で各学会において参加者が求めているものや時事に合わせた学びの場を提供することを主催者が考え工夫していくことが今後のMICE開催に必要とされていくのではないかとお話しいただきました。
コロナ禍であっても研究分野の活性化や情報交換の場として進化を止めることはできない学術集会。 ただ開催するだけではない、学会ごとの特色をいかに創り提供するかが大会全体の成功や満足度向上につながっていくのではないでしょうか。
[後記]
「第49回日本磁気共鳴医学会大会」ならびに「第3回アジア磁気共鳴医学会大会」は、横浜観光コンベンション・ビューローが「安全・安心な横浜MICE開催支援助成金」制度を活用し、開催支援を行いました。 ハイブリッド開催に移行することで発生する主催側の経費の負担や課題に対して、助成金を活用いただき、横浜での学会の開催を安心して行えるようさまざまな支援を行っております。
「安全・安心な横浜MICE開催支援助成金」制度についてはこらち
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催事名称 「第49回日本磁気共鳴医学会大会」ならびに「第3回アジア磁気共鳴医学会大会」
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会期 2021年9月10日(金)~12日(日)/ 2021年9月21日(火)~10月20日(水)※オンデマンド配信
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場所 パシフィコ横浜 ノース
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主催者名 一般社団法人 日本磁気共鳴医学会